衛生委員会の”基本10” これだけ抑えておけば、体制は整えられる!

 

従業員数が50人を超えると、労働安全衛生法に基づき
「衛生管理者と産業医を選任し、衛生委員会を月1回開催していく」など、新しい体制を整えていかなければなりません。

今回は、衛生委員会についてQ&Aの方式でお伝えしていきます。

Q1衛生委員会は、何のための設置するのでしょうか

A 労働災害が起こらないよう、労働災害防止の取り組みを労使と一体となって行うことを目的としています。

衛生委員会の機能は
「健康・安全などに関する労働者の意見を、企業の政策に反映させるため」になります。そのため、次の事項を審議します。

  •  労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること
  •  労働者の健康の保持増進を図るための基本となる対策に関すること
  •  労働災害の原因および再発防止対策で、衛生に係るものに関すること
  •  その他労働者の健康障害の防止および健康の保持増進に関する重要事項 になります。

Q2衛生委員会は必ず設置しなければいけないのでしょうか

A 常時使用する労働者数が、パートタイマー、アルバイト、契約社員、派遣労働者も含め50人以上の事業場であれば、必ず設置し、月1回以上開催しなければなりません。

また、常時使用する労働者が50人以上の事業場では、
次の7つことが労働安全衛生法で定められています。

  1. 総括安全衛生管理者の選任(事業場のトップ)
  2. 安全管理者の選任(安全管理者選任時講習を受講したもの)
  3. 衛生管理者の選任(衛生管理者免許試験に合格したもの)
  4. 産業医の選任
  5. 衛生委員会の設置・運営
  6. 定期健康診断結果報告の労働基準監督署へ提出
  7. ストレスチェックの実施。労働基準監督署へ報告書を提出

Q3衛生委員会の設置は何から始めていけばいいのでしょうか

A  以下の1~8の項目の順で進めてください

  1. 事業場のトップによる衛生委員会を設置する旨の表明
  2. 「衛生委員会規程」の策定
  3. 議長の任命:当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの、もしくはこれに準ずるもののうちから事業者が指名します
  4. 委員の任命:詳しくはQ4にてお伝えします。
  5. 委員会の開催
  6. 安全衛生委員会規程(例)の内容の審議
  7. 議事録の作成・保存をし、参加しなかった労働者にも周知します。
  8. 毎月1回定期的に開催する

Q4衛生委員会の参加者は?

A 以下の1~4のメンバーで構成します

  1. 衛生管理者のうちから事業者が指名したもの
  2. 産業医のうちから事業者が指名したもの
  3. 労働者で、衛生に関し経験を有する者のうちから事業者が指名したもの
  4. 作業環境測定を実施している作業環境測定士から事業者が指名したもの(作業環境測定士がいる場合)

※注意:委員の半数以上は労働者側でなければいけない労使同数が求められます。

衛生委員会は会社側と労働者側が一体となって労働災害防止の取り組みを行っていく場になります。ですので、労働者に不利益な事項が定まらないように、労働者側も会社側と同数以上に委員会に参加する必要があります。

Q5産業医は毎回出席しなければいけないのでしょうか

A 産業医は医学的な見地から、労働者の健康管理等について、必要な場合事業者に対して勧告することがありますので、できるだけ参加してもらう必要があります。

 ※注意 産業医の衛生委員会への選出は労働安全衛生法で義務になっていますが、参加することは任意になっています。

Q6衛生委員会では何を話し合えばいいのでしょうか

A まずは法令で定められている事項を審議してください。

  • 労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること
  • 労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること
  • 働災害の原因および再発防止対策で、衛生に係るものに関すること
  • 労働者の健康障害の防止及び健康保持増進に関する重要事項
    衛生に関する、規程、計画、衛生教育の実施計画、化学物質のリスクアセスメント、健康診断、ストレスチェックに関すること、長時間労働、作業環境測定結果についてなど。

Q7衛生委員会の議事録は作成する必要はありますか

A 衛生委員会を開催した後は、議事録を作成し、これを3年間保存しなければなりません。

あまり詳細に記録する必要はありませんが、
以下の項目の記載が必要になります。

  • 出席者名
  • 事務局報告事項(労働災害発生状況、健康診断受診状況等)
  • 各委員、各職場からの報告事項
  • 議事の概要
  • 産業医からのアドバイス
  • 来月以降の衛生行事予定
  • その他衛生に関する事項
  • 来月の開催予定日時

Q8衛生会の開催にあたって注意すべき点はどのようなことでしょうか

A 開催する事務局としては、あらかじめ報告事項の資料などを用意し、配布したりプロジェクターで投影できるようにしておきます。

また、労働災害事例を報告する場合は、被災者のプライバシーを守り、被災者が悪者にならないようにしなければなりません。

委員からの活発な意見交換ができるよう、議長は発言のし過ぎに注意して、委員に意見を求めるなどすることが必要です。また委員も、しっかり発言ができるよう、衛生推進者養成講習や安全衛生推進者養成講習などを受講し、資質の向上を図る必要があります。

Q9欠席者がいる場合はどう対応すればいいのでしょうか

A 多少欠席者がいても委員会が開催できるように、あらかじめ充足定数を安全衛生委員会定に定めておくことが必要です。

また欠席した委員に対しては、議事録を渡し、と次回開催日を伝えます。

Q10事業所が2か所あるとき、衛生委員会を合同で開催してもいいのでしょうか

A 事業場の人数が50名以上の場合は、それぞれの事業場で衛生委員会を開催する必要があります。

それぞれの事業場が50人未満の場合は、合同で開催することも可能です。ただし、それぞれの事業場での健康課題が異なる場合は、それぞれで開催して頂くことが望ましいです。

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