女性労働者が妊娠したら、本人・会社がやるべき事とは!?

妊娠初期~15週

見た目はあまり変わりませんが、体の中では新しい命が成長しているため、体調も急激に変化を始めます。

一般的な体調の変化

  • つわり(吐き気、ムカムカ)
  • 食欲が増す・腰が重く感じる
  • トイレが近くなる
  • 便秘気味になる
  • 日中眠気がさす

精神的なストレス

  • 体調の変化によるストレス
  • 喫煙、禁酒によるストレス・カフェイン類の摂取制限によるストレス
  • 運動など、活発な活動ができないことによるストレス
  • 赤ちゃんを育てられるか不安
  • 配偶者に対して、理解してもらえない事へのストレス
  • 職場で妊娠したことをなかなか言えない事へのストレス
  • 思うように仕事ができない事へのストレス、等々

働く女性は、妊娠に伴う体調の変化に合わせ、心理的ストレスも抱えながら、なおかつ仕事もしなくてはいけない、という状況の中働いています。

<本人がやるべき事>

  • 妊娠した旨を会社の上司へ伝える。
  • 産婦人科から診断書をもらい、予定日を伝え、健診にいく時間を確保してもらうよう、会社に申出を行います。
  • 交通の混雑の中通勤している方は、医師から通勤緩和の措置、また仕事中の休憩による措置を「母性健康管理指導事項連絡カード」に記入してもらい、会社へ申請します。
  • 夜勤や時間外労働、休日労働の免除の申請、長時間の立ち作業や前かがみの作業など、負担の大きい作業の免除の申請を行います。
  • 急な体調の変化があったときは、すぐに産婦人科を受診し、必要な時は主治医に「母性健康管理指導事項連絡カード」記入してもらい、会社へ申出を行います。

<会社がやるべき事>

男女雇用機会均等法における母性健康管理として

保健指導又は健康診査を受けるための時間の確保

事業主は、女性労働者が健康診査等を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければなりません。

受診の為に確保しなければならない回数

<妊娠中>

  • 妊娠23週まで 4週間に1回
  • 妊娠24週から35週まで 2週間に1回
  • 妊娠36週以後出産まで 1週間に1回

<産後>

  • 産後の回復不全等の症状で、健康診査等を受診する必要のある場合には、必要な時間を確保しなければなりません。※有給か無給かは会社の規定による

健康診査等に基づく指導事項を守るため、必要な措置を講じる義務

妊娠中及び出産後の女性従業員が、健康検査等を受け、医師等から指導を受けた場合は、指導事項が守ることができるよう、事業主は必要な措置を講じなければなりません。

妊娠中の通勤緩和

交通機関の混雑による苦痛はつわりの悪化や流・早産等につながるおそれがあります。医師等から通勤緩和の指導を受けた場合、事業主はラッシュアワーの混雑を避けて通勤することができるように通勤緩和の措置を講じなければなりません。

事例

  • 時差出勤
  • 始業及び就業時間に各30分~60分程度の時間差を設ける。
  • フレックスタイム制度の利用
  • 通勤時間の短縮
  • 1日30分~60分程度の時間差
  • 交通手段・通勤経路の変更
  • 混雑の少ない経路への変更

※公共交通機関の他、自家用車による通勤も措置の対象です。

休憩に関する措置

女性労働者が医師等から休憩に関する措置について指導受けた場合には、事業主は、その女性労働者が適宜の休憩や捕食ができるよう、休憩時間を長くする、回数を増やす等必要な措置を講じなければなりません。

事例

  • 休憩時間の延長
  • 休憩回数の増加
  • 休憩時間帯の変更

症状に対する措置

医師等からその症状についての指導を受けた場合、事業主は女性労働者が指導内容を守ることができるようにするための措置を講じなければなりません。

事例

  • 作業の制限
  • 勤務時間の短縮
  • 休業
  • 作業環境の変更

事業主は担当の医師等と連絡をとり、判断を求める等適切な対応が必要です。

事例

  • 女性労働者を介して、担当の医師等と連絡を取り、判断を求める。
  • 企業内の産業医、保健師等の産業保健スタッフに相談し、判断を求める。
  • 直ちに通勤緩和や休憩に関する措置を講じる。

労働基準法における母性保護規定として

※労働基準法における母性保護規定については、医師等の指導の有無に関わらず取得可能です。

時間外、休日労働、深夜業の制限・変形労働時間制の適用制限

妊産婦から請求があれば、時間外労働、休日労働、深夜業の免除をしなければなりません。変形労働時間制度を取っている場合にも、1日および1週間の法定労働時間を超えて労働させる事はできません。(妊娠中及び産後1年を経過しない女性)

軽易業務転換

前屈み作業、長時間の立ち作業など、妊娠した女性にとって身体的に負担の大きい作業の免除の請求があった場合、他の軽易な業務に転換させなければなりません。(妊娠中の女性)

危険有害業務の就業制限

妊娠、出産、哺育に有害な業務には、妊産婦をつかせることはできません。女性の妊娠・出産機能に有害な業務については、妊産婦はもとより全ての女性の就業が禁止となっています。

妊娠中期16~27週

赤ちゃんにとっては安定期に入りますが、お母さんにとってはお腹がふくらみ、身体の負担も増えます。

<多くみられる症状>

  • 動機・息切れ
  • 貧血
  • 手足や顔がむくみやすい
  • 便秘になりやすい

<精神的ストレス>

  • 妊娠初期のストレスが継続しています。ただ、妊婦生活の慣れから少し緩和される部分もあります。
  • この中期に無理をし過ぎると、お腹が張ったり、疲れやすくなったりと体調を崩し、休養しなければならなくなりますので、無理をしない生活をする必要があります。

<本人がやるべき事>

  • 急な体調の変化があったときは、すぐに産婦人科を受診し、必要な時は主治医に「母性健康管理指導事項連絡カード」記入してもらい、会社へ申出を行います。
  • 解雇されたり、退職を供与された、正社員からパートになるように強要された、減給された、ありえないような配置転換をされた等の扱いを受けた場合は、専門機関に相談しましょう。

<会社がやるべき事>

男女雇用機会均等法において

妊娠・出産、産前、産後休業、育児休業を理由とした解雇、不利益な異動、減給、降格などの取扱いを行うことは法律で禁止されています。

※「理由とする」とは、妊娠・出産、産前、産後休業、育児休業等の事由の終了から1年以内に不利益があった場合、原則として「理由とする」と解され、法違反になります。

妊娠・出産、産前、産後休業、育児休業等に関する上司・同僚からのハラスメントを防止する措置を講じることが事業主に義務づけられています。

<こんな行為がハラスメントです!>

  • 解雇を示唆するようなことを言う
  • 正社員からパートになるように言う
  • 上司から、制度を利用しないように言う
  • 仕事を取り上げ、雑用をさせる
  • 同僚から「今の時期に妊娠すべきではなかった」と言われた

※業務分担や安全配慮等の観点から、客観的にみて、業務上の必要性に基づく言動によるものについてはハラスメントではありません。

妊娠後期(28週~)

見た目に妊婦とわかる体型となり、身体の負担はピークに達します。

<多くみられる症状>

  • 背中や腰が痛む
  • お腹が張る
  • 胃が圧迫されることによる食欲の減退
  • 胃が圧迫され、胸やけがする
  • 動機・息切れ
  • トイレが近くなる
  • 貧血
  • 手足がむくみやすい

<精神的なストレス>

  • 妊娠初期からのストレスは継続しています。
  • 出産に対する不安
  • 元気な赤ちゃんを産めるのか不安
  • お腹が大きくなり、思うように動けない事へのストレス
  • 出産前後の里帰りなど、環境の変化に対するストレス

※お腹が大きくなり足元が見えにくくなるので、転倒への注意も必要です。

<本人がやるべき事>

  • お腹が張っているとき、むくみがひどい時は職場の人に話し、休憩を取ったり、早退したりし、自分自身の体調を管理することも大切です。
  • お腹が大きくなり足元が見えにくくなるので、転倒への注意も必要です。
  • 出産予定日が、赤ちゃんの大きさにより変更になった時などは、主治医に診断書を記入してもらい、すぐに会社へ提出しましょう。
  • 急な体調の変化があったときは、すぐに産婦人科を受診し、必要な時は主治医に「母性健康管理指導事項連絡カード」記入してもらい、会社へ申出を行います。

<会社がやるべき事>

労働基準法により産前・産後休業が定められています。

産前休業

  • 出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)、本人が請求した場合、就業させることができません。

産後休業

  • 出産翌日から8週間
  • 産後6週間は就業禁止です。6週間を経過した後は、本人が請求し、医師が支障がないと認めた業務には就業できます。

まとめ

女性が妊娠・出産しても安心して働ける職場を作ること、事前に環境を整えていくことが大切です。そして何より、相談しやすい職場の雰囲気づくりの為、普段からコミュニケーションを多く取っていることが必要です。女性が安心して、妊娠・出産できる職場を作るのも健康経営の1つの役割にもなってきます。

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